人新世の「資本論」(斎藤幸平)

  • 気候危機は、「以前の状態に戻れなくなる地点(ポイント・オブ・ノーリターン)」に迫っている。
  • グローバルサウス「グローバル化によって被害を受ける領域ならびにその住民」
  • 「グローバル・サウスからの資源やエネルギーの収奪に基づいた先進国のライフスタイルを『帝国的生活様式』」
  • 帝国的生活様式とは「グローバル・ノースにおける大量生産・大量消費型の社会」のこと、グローバル・サウスからの「収奪や代償の転嫁なしには、帝国的生活様式は維持できない。」
  • 「中核部での廉価で、便利な生活の背後には、周辺部からの労働力の搾取だけでなく、資源の収奪とそれに伴う環境負荷の押しつけが欠かせないのである。」

 

 

  • 「資本主義は、最後の最後まで、あらゆる状況に適応する強靭性を発揮しながら、利潤獲得の機会を見出していくだろう。環境危機を前にしても、資本主義は自ら止まりはしないのだ。」
  • 「いったいあとどれくらい経済成長すれば、人々は豊かになるのだろうか。経済成長を目指して、『痛みを伴う』構造改革量的緩和を行いながら、労働分配率は低下し、格差は拡大し続けているではないか。そして、経済成長はいつまで自然を犠牲にし続けるのだろうか。」
  • 脱成長は、「人々の繁栄や生活の質に重きを置く。量(成長)から質(発展)への転換だ、プラネタリー・バウンダリーに注意を払いつつ、経済格差の収縮、社会保障の拡充、余暇の増大を重視する経済モデルに転換しようという一大計画なのである。」
  • 「削減すべきは、SUVや牛肉、ファスト・ファッションであり、教育や社会保障、芸術ではない。」
  • 「『脱成長』は平等と持続可能性を目指す。それに対して資本主義の『長期停滞』は、不平等と貧困をもたらす。そして、個人間の競争を激化させる。」

 

  • 「使用価値経済への転換」「労働時間の短縮」「画一的な分業の廃止」「生産過程の民主化」「エッセンシャル・ワークの重視」
  • ブルシット・ジョブ「『使用価値』をほとんど生み出さないような労働が高給のため、そちらに人が集まっている現状」
  • 「ケア階級の叛逆」
  • 「フィアレス・シティ(恐れ知らずの都市)」バルセロナ 
  • 「気候正義」「気候変動を引き起こしたのは先進国の富裕層だが、その被害を受けるのは化石燃料をあまり使ってこなかったグローバル・サウスの人々と将来世代である。この不公正を解消し、気候変動を止めるべき」
  • 「『誰も取り残されない』社会への移行を先導する責任がある。」バルセロナ
  • 「食料主権」「南アフリカ食料主権運動」「息ができない!We Can't Breathe!」 
  • 「人権、気候、ジェンダー、そして資本主義、全ての問題はつながっているのだ。」
  • 「生産の<コモン>化、ミュニシパリズム、市民議会」
  • 「『三・五%』の人々が非暴力な方法で、本気で立ち上がると、社会が大きく変わる」