2022-01-01から1年間の記事一覧

金閣寺(三島由紀夫)

父によれば、金閣ほど美しいものは地上になく、また金閣というその字面、その音韻から、私の心が描きだした金閣は、途方もないものであった。 私はその事件を通じて、一挙にあらゆるものに直面した。人生に、官能に、裏切りに、憎しみと愛に、あらゆるものに…

第三次世界大戦はもう始まっている(エマニュエル・トッド)

冷戦後、NATOは東方に拡大・・・ポーランド、ハンガリー、チェコが加盟した1999年と、ルーマニア、ブルガリア、スロバキア、スロベニア、エストニア、ラトビア、リトアニアが加盟した2004年です。 ドイツ統一が決まった1990年の時点で、「NATOは…

ESG超入門(バウンド)

日本企業の多くは、「オールド資本主義(短期思考経営)」の立ち位置。「脱資本主義」は「利益が減っても環境・社会に貢献すべき(環境アクティビスト・社会主義/共産主義)。 「ニュー資本主義」は、「社会・環境に対するアクションをしながら、利益の追求…

実力も運のうち 能力主義は正義か?(マイケル・サンデル)

労働の尊厳はむしばまれ、多くの人がエリートに見下されていると感じるようになってしまったのだ。グローバリゼーションの勝者は自力で勝ち取ったのだからそれに値するという信念は、正当なものだろうか。それとも、能力主義に基づく思い上がりだろうか。エ…

人生百年の教養(亀山郁夫)

「人間というのは生きられるものなのだ!人間はどんなことにでも慣れることのできる存在だ。私はこれが人間のもっとも適切な定義だと思う」この定義を是とするか、非とするか、それは、私たち自身の生のありようと密接にかかわっています。ドストエフスキー…

ワーニャ伯父さん(チェーホフ 神西清〔訳〕)

でも、仕方がないわ、生きていかなければ!ね、ワーニャ伯父さん、生きていきましょうよ。長い、はてしないその日その日を、いつ明けるとも知れない夜また夜を、じっと生き通していきましょうね。運命がわたしたちにくだす試みを、辛抱づよく、じっとこらえ…

2021年度版医療福祉総合ガイドブック(NPO法人日本医療ソーシャルワーク研究会)

社会問題、生活問題に対し、国が責任を果たすものが社会保障制度 1950年社会保障制度審議会「社会保障制度に関する勧告」:社会保障制度とは「疾病、負傷、分娩、廃疾、死亡、老齢、失業、多子その他困窮の原因に対し、保険的方法又は直接公の負担におい…

財政学の扉をひらく(高橋正幸・佐藤滋)

なぜ政府が財・サービスを提供するのか・・・「公共財の理論」・・・公共財とは政府の提供する財・サービスを意味・・・市場での値付けが適切な形で行われず、売り買いすることが困難な財・サービスに限って、政府が市場に代わって供給すべきだ 私たちが財政…

昭和史 戦後篇 1945-1989(半藤一利)

昭和20年8月15日、・・・降伏文書に調印してアメリカ(連合国)の占領がはじまってから昭和26年(1951)までを占領の時代・・・いわゆるOccupied Japan・・・この時期にはGHQが非軍事化・民主化方針にのっとって日本政府に次々と指令を出し、日本…

いちからわかる都市計画のキホン(佐々木晶二)

整開保(都市計画区域の整備、開発及び保全の方針)=都市計画区域単位のマスタープラン 開発行為:建築物の建築等を目的とした「土地の区画形質の変更」をいう。 建築物:屋根と柱又は壁があるもので、門や塀も含みます。 建築行為:建築物を新築、増築、改…

昭和史(半藤 一利)

昭和史の20年がどういう教訓を私たちに示してくれたか・・・ 第一に国民的熱狂をつくってはいけない。その国民的熱狂に流されてしまってはいけない。ひとことで言えば、時の勢いに駆り立てられてはいけないということです。熱狂というのは理性的なものでは…

ティール組織(フレデリック・ラルー)

現代のビジネスのやり方は、地球の許容範囲を超えてしまった。現代の組織は、とてつもない勢いで天然資源を枯渇させ、エコシステムを破壊し、気候を変え、貴重な地下水と表土を使い果たした。人類は将来世代との「瀬戸際政策」ゲームをしているのだ。将来は…

新しい世界 世界の賢人16人が語る未来(クーリエ・ジャポン編)

民主主義は、市民の健康の保護という名の下に、簡単に独裁に変わります。この脅威は取るに足らないものではありません。 感染症への薬は孤立主義でも分離主義でもなく、情報と協力です。ウイルスに対して人類が非常に有利な点は、効率的に協力ができることで…

大人の語彙力見るだけノート(吉田裕子)

存じ上げております。 申し伝えます。 差し支えございません。 おいとまいたします。 僭越ながら 幸甚に存じます。 お力添えください。 お運びいただく 身に余る お眼鏡にかない、光栄です。 ふつつかながら お見知りおきください。 ご厚情痛み入ります。 寡…

うまいこと老いる生き方(中村恒子/奥田弘美)

人間は50歳を過ぎたあたりから、見た目だけやなくて、体力も知力も、人生の盛りからゆるゆると下がって行くんやから、遅くとも60歳を過ぎたら主役は若い人にどんどん譲っていかんと。 年寄りは脇役でいいから、何か若い世代の手助けになればそれでいい …