生物はなぜ死ぬのか(小林武彦)

  • 他の無機質な惑星と違い、宇宙からの来訪者が一番関心を持つものは、何といっても多様な生物です。
  • 生き物にとって死とは、進化、つまり「変化」と「選択」を実現するためにあります。「死ぬ」ことで生物は誕生し、進化し、生き残ってくることができたのです。
  • 「ターンオーバー」そのものです。ーつまり、死は生命の連続性を維持する原動力なのです。
  • 「死」は絶対的な悪の存在ではなく、全生物にとって必要なものです。
  • 生物はミラクルが重なってこの地球に誕生し、多様化し、絶滅を繰り返して選択され、進化を遂げてきました。その流れの中でこの世に偶然にして生まれてきた私たちは、その奇跡的な命を次の世代へと繋ぐために死ぬのです。命のたすきを次に委ねて「利他的に死ぬ」というわけです。
  • 全ての生物は、ターンオーバーし、生と死が繰り返されて進化し続けています。生まれてきた以上、私たちは次の世代のために死ななければならないのです。
  • 自分という存在を失う恐怖
  • この恐怖から逃れる方法はありません。この恐怖は、ヒトが「共感力」を身につけ、集団を大切にし、他者との繋がりにより生き残ってきた証なのです。
  • ヒトにとって「死」の恐怖は、「共感」で繋がり、常に幸福感を与えていてくれたヒトとの絆を喪失する恐怖なのです。
  • 共感で繋がったヒトが亡くなった場合も同じです。
  • そしてその悲しみを癒やす、別の何かがその喪失感を埋めるまで、悲しみは続くのです。